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ラクガキすると、つい、ラムちvダーリンを描いちゃうんですよね〜。
上の絵は色鉛筆の一発描きなんで、デッサンとか気にしないで下さい(笑)。
あ、背景は一応パソコンで…。
最初、新婚さん≠ネ2人にしようと思っていたので、
ダーリンがネクタイしてるんですが、ラムちゃんをいつもの格好で
描きたくなって、その設定はやめました。
せっかくなので、絵に合わせた小話を書いてみました。
…あ、ソレっぽいのが嫌いな人は読まない方が…(汗)。
| 「199戦199連勝だっちゃ!」 「ぐぬぬぬぬ…。」 時計の針は夜の12時を過ぎ、諸星家の明かりがついているのはあたるの部屋のみとなっていた。 2人は夕食後から、ずっとオセロをやり続けているのだ。 何度やってもラムに勝てないのが悔しくて、 あたるは負けても負けてもラムに次の勝負を挑んだ。 「えぇーい!もう一回!勝負だっ!!」 「まだやるっちゃあ?!ダーリン、もう諦めて寝よ?」 目覚し時計を手にとって、あたるの顔に突きつけた。 「うるさい!夜はこれからだ!」 あたるは目の前の時計を払いのけ、綺麗に黒が占めた盤を乱暴にひっくり返すと、 「ほら、さっさと用意せんかいっ!」 と語気を荒げて自分のオセロを集める。 ラムは大きなあくびをしてから、のろのろとオセロを拾い始めた。 (ホント、負けず嫌いだっちゃね〜。) ちらりとあたるの表情を見ると、何かぶつぶつ呟きながら 集めたオセロを自分の箱に収めている。 (…ま、そーゆートコロも好きなんだけどvv) 「…何、笑ってんだ、お前。」 自然と口元の緩んでしまったラムを見て、馬鹿にされたと勘違いしたらしい。 「次は絶対勝ってやるからなっ!」 「はいはい、勝ってもらうっちゃ。」 とその時、ラムはイイことをひらめいた。 「ダーリン!次の勝負でうちが勝ったら、200連勝だっちゃ!」 「何ぃ?!」 もう勝った気でいるのかと、あたるはラムを睨みつけた。 「うちが勝ったら、うちのお願い、1つきいて欲しいっちゃ!」 「お願い??」 「だっちゃ!」 にこにこと自分を見つめるラムに、あたるは嫌な予感がした。 「…断る!」 どうせロクなお願い≠ナはなかろう。 あたるはきっぱりと言い放った。 もちろん、ラムにはその返答は予測済みだ。 「ふー…ん。」 ラムは横目であたるを見た。 「ダーリン…勝つ自信、ないっちゃ?」 小馬鹿にするかのようなその物言いに、あたるはカチンときた。 「何だと?!」 「だーぁって、ダーリンが勝てば、何も問題ないことだっちゃ。 なのに断るってことは、ダーリンはうちに勝つ自信がないってことだっちゃ。」 くすくすと笑いながら話すラムに、あたるは完全に頭に血が上ったらしい。 「よーし、分かった!いいだろう、お前が勝ったら言うこときいてやるっ!」 あたるのその言葉に、ラムの目がキラーン☆と光ったのは、言うまでもない…。 「うちの勝ちだっちゃ〜vv」 「くぬぬぬぬぬぬ…。」 盤上のオセロは数えるまでもなく黒の方が多く、それはラムの勝利を示していた。 「いや、待て、ここの黒は…」 「往生際が悪いっちゃ。」 言いがかりをつけるあたるの前から盤を取り上げる。 「ちくしょう、あのとき、やっぱりあっちを先に攻めるべきだったか…。」 まだ諦めがつかないのか、あたるは先程の勝負を思い起こしている。 そんなあたるをじーっと見つめるラム。 「ダーリン。」 あたるはまだオセロのことを考えているらしく、返事をしない。 「ダーリンったら!」 「いてっ!」 ラムがあたるの顔をひっつかんで、自分の方へ強引に向けたのだ。 「いてーな、何だよ!」 「約束!」 「は??」 「うちが勝ったんだから、うちの言うこときくっちゃ!」 「何だ、そりゃ?!」 すっとぼけているのか、本当に忘れているのか、あたるは関心なさげに問い返す。 「うちが200連勝したら、うちのお願いを1つ聞くって約束したっちゃ!」 「うぎゃあっ!分かった、分かった!思い出した!」 ラムがあたるの耳を引っ張って、耳元で叫ぶので、あたるは慌ててそう答えた。 「わ〜い♪」 あたるの耳を離し、ラムはちょこんとあたるの前に座った。 「…で、何だよ。」 むすっとして聞くあたる。 「どーせ、デートしてとか浮気するなとか、そんなことだろう?」 聞き飽きたと言わんばかりに、あたるは大きな溜息をつく。 「違うっちゃ♪」 「じゃあ、なん…」 言いかけたあたるの首にラムが両腕を回し、そのまま口づけた。 突然のことに、あたるは目を大きく見開いたまま固まった。 あたるが何の抵抗も示さないのを良いことに、ラムは口づけを徐々に深くしていく。 口内にぬるりとしたものを感じると、あたるはようやく自分の置かれている状況を把握して、 ラムの肩をつかみ、その身体を引き剥がしにかかった。 「ば…っ、何の真似だ、お前は!」 「うちからダーリンにお・ね・が・いv」 「は?!」 ラムはあたるの耳元で一言、囁いた。 「じっとしててねv」 ラムは再びあたるに抱きつくと、首筋に吸い付いた。 片手で器用にあたるの服のボタンを外していく。 「…おいっ!ラム、ちょっと待…っ!」 ラムの手があたるの服の下に侵入し、その指先が素肌の上を這いまわる。 体の内側からざわざわと湧き上がってくる感覚が、力を徐々に奪っていく。 「ラム、よせって…っ」 飛びそうになる理性にすがりながらラムに言うが、 ラムはうっとりとした表情で行為を続ける。 「やめ…」 あたるの上体を支えていた右腕がかくりと力なく折れて、 二人は重なったままじゅうたんの上に倒れこんだ。 閉じた瞼の裏側にまであかるい日差しが差し込む。 すずめのさえずりが、朝が来たことを告げる。 「あたるー、ラムちゃーん、早く起きなさーい!」 「はーい、今、支度するっちゃー!」 「ん…」 あたるがゆっくり目を開けると、制服姿のラムが部屋のカーテンを開けているところだった。 「まぶし…。」 急に飛び込んできた朝の光に目を細める。 「あ、ダーリン、おはようっちゃ♪いい天気だっちゃよ。」 いつもと変わらないラム。 いつもと変わらない朝の光。 あたるは重い体をようやく起こし、背伸びをした。 そして支度をしようとパジャマのボタンに手をかける。 ふと、ラムがにこにこしてこちらを見ているのに気づいた。 「何だよ?」 「ダーリン。」 「?」 「またオセロやるっちゃv」 「はい??」 「じゃ、うち先に下に行ってるっちゃ!」 ラムは軽やかに舞って、あたるの部屋を後にした。 「朝っぱらから元気なやっちゃ…。」 壁にかけてあった制服を取り、パジャマを脱いで床に落とすと、 目に入ってきたのは身体のあちこちにつけられた朱い跡。 昨夜のことを一気に思い出し、続けてさっきのラムの言葉が頭の中で繰り返された。 「ダーリン、またオセロやるっちゃ!」 「〜〜〜二度とやるもんかーーーっ!!」 あたるは1人、真っ赤な顔で叫んで、白いワイシャツで朱い跡を覆い隠すのだった。 (終) |