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本のバーゲン

ここは友引高校2年4組の教室。ただいま体育の授業中。
男子は外でサッカー、女子は担当教師の都合で教室で自習中である。

「もーすぐクリスマスねー。」
「予定あるの?」
「当然よぉvv」
「あんたこそどーなのよ?」
女の子たちのおしゃべりはとどまるところを知らず、延々と続く。
今日の話題の中心はクリスマスらしい。
自習中の課題プリントなど早々に済ませて、椅子をストーブの回りに運んできて座談会である。

「ラムは、どーなの?」
しのぶがラムに問い掛けた。他の女子もラムの方を見る。
「何が?」
ラムはきょとんとしてしのぶと目を合わせた。
「何って、クリスマスよ、クリスマス!!あたる君と予定してるの?」
呆れ顔で、しのぶがもう一度尋ねた。
「あぁ、その日はダーリンと一緒に終太郎の家のクリスマスパーティーに行くっちゃ!
うちが終太郎に誘われたのに、ダーリンが俺も一緒に行くって。きっと了子にちょっかいだすつもりだっちゃ!」
ラムが握りこぶしに軽く放電させながら答えた。
「あぁ、それなら私も行くわよぉv・・・って、ラム、あんた何言ってるのよ?!」
しのぶが更に呆れている。
「そりゃあ、面堂さんの家のパーティーも楽しいけど、クリスマスでしょ?」
「だっちゃ。」
「そーいう日は2人でどっか出かけたりするものでしょうが!」
しのぶの力説に回りの女生徒たちもうんうんとうなづいた。
「だってダーリンは誘ってくれないし、うちが誘っても聞いてくれないっちゃ。」
救いようのないラムの言葉に、クラスメイトが同情のまなざしを注ぐ。
「しのぶはダーリンと付き合ってたとき、デートしたっちゃ?」
今度はラムがしのぶに尋ねた。
「そっ、そりゃあ、してたわよ・・・。」
しのぶがバツが悪そうに答えた。何とも奇妙なやりとりだ。
話題を変えようと、側にいた明美が努めて明るく言った。
「クリスマスと言えば、プレゼントよね!!ラムもプレゼントぐらいは用意してるんでしょ?」
「うん、今、マフラーを編んでるっちゃ!」
ラムは自分の机の中から編みかけの物を持ってくると、皆に見せた。
「ほら、もう少しで完成だっちゃ!」
「マ、フラ・・−??」
女の子たちはその毛糸の塊のような物体を凝視した。マフラーとは長細い物のはずだが、ラムが手にしているそれは、途中から何故か枝分かれして、随分幅広くなっている。
クラスメイトのこわばった表情に気づいて、ラムは慌てて弁解した。
「ち、ちょっと失敗したけど、これから直そーと思ってるっちゃ!あはははは・・・。」
「そ、その方がいいわね。うふふふ・・・・。」
乾いた笑いが漏れる。
「後、時間があったら手作りケーキにも挑戦するつもりだっちゃ!」
ラムは得意げに言い放った。
「手作り・・・?」
女生徒たちのざわめき。
「ラム・・・、プレゼントはたくさんあげればいいってものじゃないのよ?」
ラムの肩に手を置いて、しのぶが優しげな声で、諭すように言う。
「今年はそのマフラーだけに絞るべきよ。うーんと素敵なマフラーだけに愛情をたっぷり注いだ方が、あたる君もきっと喜ぶと思うわ。」
「そうけ?・・・じゃあ、そうするっちゃ。まだ作ってないし。」
ラムが納得したようなので、しのぶはほっと胸をなでおろした。
幼馴染兼、元彼女としては、せっかくの楽しい日に彼が悲惨な目に遭うのはちょっとかわいそうだと思ったらしい。
「ねぇ、あたし、この間テレビで見たんだけど、こんなプレゼントした女の子がいるんだってー。」
明美が立ち上がって話し出した。みんなが興味津々で聞く。
「自分の首にチョーカーみたいにリボンをつけて、プレゼントはあ・た・しってやつ!」
「ひぇー、そんなマンガみたいなコト、マジでやっちゃってんのー?!」
「やぁだー。」
皆、大爆笑である。
その中で、ラムだけが何やら考え込んでいた。
「あぁ、おっかしー・・・って、ラム、あんた何考えて・・・、まさかっ。」
しのぶは嫌な予感がした。
「そのプレゼント、うちもやってみるっちゃ!!」
ラムが目を輝かせて声高らかに宣言した。しのぶが慌てて言い返す。
「ば
っか、何言ってんのよ!そんなサムイコトして相手が引いちゃったら、むちゃくちゃイタイじゃないの!!」
「暖房つければ寒くないっちゃよ。それに怪我するわけじゃないから痛くなんかないっちゃ。」
「ちっがーうっっ!!」
かみ合わない会話にしのぶが地団駄を踏む。
「だいたいあんた、意味分かってるの?!あれは・・・っ。」

ガラッ。
「あー寒かったー。」
「ちぇっ、女子はいーよなー、教室でストーブにあたってくっちゃべってただけじゃん。」
何時の間にか体育の時間が終了しており、男子生徒たちが教室へ戻ってきた。
がばっ。突然、しのぶに抱きつく男が一人。
「しのぶーっっvv外はすっごく寒かったんだよぉ。だから暖めてv」
「っきゃぁぁー。いきなり何すんのよ、あたる君!!」
どかっ。しのぶの投げた椅子があたるの顔面を直撃。あたるは椅子と共に吹っ飛んだ。
が、そのままの勢いで、今度は自分の席で居眠りをしている竜之介の元へ降り立つ。
「あぁ、こんな所に美しい眠り姫が!?起こしてあげなくては!んー・・・。」
歯の浮くような台詞を吐きながら、自分の顔を竜之介の顔に近づけていく。
相変わらず馬鹿な男である。
ばきいっっ!竜之介の右ストレートがあたるの顔面にクリティカルヒット。
あたるはまたもや宙を舞った。
ひゅぅぅ・・・ぽてっ。
床に墜落した。ラムが駆け寄る。
「ダーリン、大丈夫?」
ラムが心配そうにあたるの顔を覗き込んだ。
「大丈夫なわけあるか!!」
元気いっぱい怒鳴って返して、あたるが起き上がった。
「あーひどい目に遭った。いててて・・・。」
真っ赤になった自分の頬をさする。
「ところでダーリン、クリスマスのことだけど。」
ラムが切り出したその言葉に、女生徒がぴくっと反応した。
努めて平静を装ってはいるが、隠し切れない緊張感が走った。
「あ?何だよ。」
自分の席に座ろうと立ち上がったあたるに、ラムが言葉を続けた。
「クリスマスは家で2人っきりでやるっちゃ!」
「はぁ?何言ってんだよ、お前。クリスマスは面堂ん家のパーティーで食い放題、飲み放題、そして何より了子ちゃんと・・・うひひひvv」
ドバババッ!
「ぎえぇぇぇ!!」
何やら一人いやらしい笑い声をあげるあたるに、ラムが電撃を浴びせた。
「何言ってるっちゃ。うちと2人でロマンチックなクリスマスするっちゃ!ねぇ、ダーリン、そうしよ?ね?」
言いながら、人目も憚らずすり寄ってくるラム。
メガネを始めとするラム親衛隊隊員の恨みがましい視線があたるに集中する。
あたるは身の危険を感じ、
「ば、馬鹿、離れろ。」
とラムを自分から引き離した。
「お前と2人でいたって面白くも何ともないわい。うまい飯が出る訳でもなし。」
「そうですよ、ラムさん。」
面堂がすっとラムの横に立った。
「あなたの誘いを無下に断るようなあほな男は放っておいて、是非我が面堂家のクリスマスパーティーにいらして下さい!当日は、一流ホテルのシェフを呼んで作らせる、フランス料理のフルコースを予定しています。そしてクリスマスケーキは・・・と、ラ、ラムさ、ん・・・?」
ラムは明らかに不機嫌そうな表情で面堂を睨んでいる。
「・・・うちの料理は愛情たっぷりだから、フランス料理にも負けないくらいおいしいはずだっちゃ。それに、ダーリンはあほじゃないっちゃ。」
自分の失言に気づいて、面堂が慌てて弁解する。
「い、いや、すみません、ラムさん。、決してあなたの料理のことをどうと言ったつもりでは・・・。」
あたるをあほよばわりしたことについては謝る気はないらしい。
ラムは再びあたるの方を向きなおして言った。
「ねぇ、ダーリン、どーしてもダメだっちゃ?」
上目づかいにあたるの顔を覗き込む。
何の計算もなくこういう行動を取れるのが、ラムのかわいいところだと思う。
その可愛らしい仕草に、さすがのあたるも一瞬心を奪われた。
他の男子生徒は言わずもがな、である。
「あ・・・でも、やっぱりごちそうは勿体無いじゃないか。なぁ?」
一体誰に同意を求めているのか。愛想笑いを浮かべながら、自分らを取り囲んでいる男子を見回す。
どうやら、柄にもなく少し動揺しているらしい。
「じゃあ、終太郎の家から帰ってきてからならいいっちゃ?」
「帰ってきてからなんて、腹いっぱいでもう何も食いたくないわい。」
「料理じゃなくて。うち、ダーリンにプレゼント渡したいんだっちゃ!」
にっこりと微笑むラム。
「プレゼント?」
先ほどの動揺が治まってきて、あたるは冷静に聞き返した。
「だっちゃ。きっとダーリンも喜んでくれるものだっちゃ。」
「まぁ、くれるものは何でも・・・っま、まさか手作りのものではなかろうな!?」
「1つは手作りだっちゃ。」
いらん。
実にきっぱりはっきりと言い放つと、あたるはすたすたと自分の席へ戻った。
後に残されたラムはそのあっけなさに暫し呆然としたが、すぐに気を取り直して、あたるの元へ飛んでいく。
「何だっちゃ、その失礼な態度は?」
「お前の手作りにはロクなもんがない!!」
またもやきっぱりと、更に指をびしっとラムの鼻先へ向けて断定した。
「うちの愛情たっぷりだっちゃ!」
「それで体調崩してりゃ世話ないわな!!」
半ばけんかである。
「なんでマフラー巻くだけで体調崩すっちゃ!!」
「マフラーなんぞ巻いたら・・・って、マフラー???手作りって、マフラーかよ。」
「だっちゃ!もうすぐ完成するから楽しみにしててほしいっちゃ!」
「なんだ、食い物じゃないのか、あ〜良かった・・・。」
「それじゃあラムさん、もう1つのプレゼントというのは一体何なんですか?」
2人のやりとりを苦々しく見ていたメガネが会話に割って入ってきた。
「あぁ、それはー・・・。」
言いかけて、
「それは、そのときのお楽しみだっちゃ!」
ラムがいたずらっぽく笑った。
「お、お楽しみって??」
メガネが聞き返すが、ラムはにこにこするだけで言おうとしない。
「食いもんじゃないんだろ?」
あたるが聞くと、
「違うっちゃ。でも愛情たっぷりなことに変わりはないっちゃ!」
女生徒たちはラムのプレゼントが何であるか知っているだけに、どぎまぎしながら事の成り行きを見守っている。
あたるを含む何も知らない男たちはプレゼントの中身が何か、気になった。
「手編みのセーターとか?」
「馬鹿、手作りじゃないっていったじゃないか。」
「市販の洋服とか?」
「冬休みの課題を代わりにやってくれるとか?」
「どこがロマンチックじゃ!」
あーだこーだと勝手に想像している男子たちをよそに、ラムがあたるに言った。
「楽しみにしててね、ダーリン!」
「・・・。」
あたるは不吉な予感がしたのか、返事をしなかった。
女の子たちはひそひそと耳打ちしながら、2人を遠巻きに見ていた。


クリスマスの夜。
あたるとラムは面堂家のパーティーに出席し、飲めや歌えやの大騒ぎを大いに楽しんだ。
行き帰りは面堂がラムの為に用意してくれた黒塗りの高級車で送ってもらった。
もう時計の針は11時を過ぎており、いつの間にかパーティーについて来ていたテンは、帰りの車の中、ラムの胸でくーくー眠ってしまった。
あたるはと言うと、パーティーで出された高価なワインを、メガネらと一緒に、このときとばかりに飲み干して少々酔っている。
ラムはテンの頭を優しく撫でながら、時折「ダーリン大丈夫?」などと声をかけている。
車が諸星家の前で止まり、ラムは運転手にお礼を言うと、テンを抱えてあたるを何とか車から降ろさせた。
「ただいまぁ。」
ラムが玄関に入って言ったが、返事はない。
家の中は真っ暗。両親はもう眠っているらしい。
「ほら、ダーリンちゃんと歩いて・・・。」
小声で話し掛けながら、2階へ静かに上がっていった。


「ダーリン、お風呂どうする?」
「あー・・・?」
あたるは部屋の壁にもたれてだらしなく座っている。
今にも眠ってしまいそうだ。
ラムがテンを押し入れの中に寝かしつけて、もう一度聞いた。
「お風呂、入る?やめとく?ダーリンってばー、起きるっちゃ、もぉー!!」
あたるにこのまま寝られては困る。せっかくのプレゼントが渡せない。
電撃で起こそうかと思ったが、深夜の安眠妨害で、またご近所から苦情がきてしまうかもしれないと思い直し、振り上げた手を下ろす。
「ダーリン!!起きるっちゃ!!!」
ガツンッ!!!
思い切りあたるの頭をグーで殴った。
「いってえぇ・・・。」
あたるが目を開けた。
寝ぼけているのか、特に怒っている様子はない。
「さ、ダーリン、今度は2人でクリスマスするっちゃ!」
「はぁ?そんなもん今、面堂ん家でやっただろうが・・・。」
少し目が覚めてきて、あたるが面倒くさそうに言う。
「プレゼント!もらってくれるって約束したっちゃ!」
「あぁ、マフラーだっけ。明日でいーじゃん。」
「だめだっちゃ!クリスマスは今日なんだから!」
「あーもう、分かった分かった。もらってやるからさっさとよこせ。」
手をひらひらさせながら、うっとおしそうに言う。
随分横柄な態度である。メガネ辺りが聞いていたら呼び出し決定だろう。
「わーい!すぐもってくるから、ちょっと待っててv」
ラムは窓から出て、諸星家のすぐ上に停めてあるUFOに行ってしまった。
「・・・頭いてぇ。ワインで酔ったのかな。」
顔でも洗ってくるかと、あたるは洗面所に向かった。


酔いを覚まそうと、冷たい水で顔を思い切り洗った。
「冷てー・・・。」
12月の深夜。余計に水が冷たく感じる。
まだ酔いは完全には覚めないが、とりあえず目は覚めた。
あたるは時折よろめきながら、部屋へ戻った。


あたるが部屋の戸を開けると、部屋の真ん中で、ラムが座って待っていた。
「ダーリン!」
うきうきした表情で、ラムがあたるを部屋へ迎え入れる。
あたるはまだだるかったので、さっきと同じように壁にもたれて座った。
「ダーリン、はい!」
ラムがきれいにラッピングされた包みをあたるに差し出した。
「あぁ、どーも・・・。」
ぶっきらぼうだが、拒否せず、素直にプレゼントを受け取った。
「開けるぞ。」
「うん!開けて開けて!!」
ラムが身を乗り出してあたるの手元を見ている。
包みの中から、緑色のマフラーが出てきた。
広げて見ると、編目はかなりほつれており、形もゆがんでいる。・・・確かに手編みである。
やっぱりな・・・という顔であたるはそれを見た。
ラムが器用でないことは分かっている。どうせ、この程度の出来だろう。
それでも、こいつなりに「愛情たっぷり」に編んだのだろう。
「・・・ありがとな。」
珍しくラムに礼を言った。まだ覚めない酔いのせいかもしれない。
言われたラムは、それはもう至極の笑顔を見せて飛び上がった。
「どーいたしまして!わーい、ダーリンが喜んでくれたっちゃー!」
大はしゃぎのラムをぼーっと眺めながら、
(こんな一言であそこまで喜ぶなんて、安上がりなやっちゃ。・・・まぁ、悪い気はしないけど。)
などと思っていた。
・・・周りの男共が騒ぐのも無理はないかもしれない。
・・・確かに、かわいいよな。


しばらくはしゃいでいたラムが、くるりとあたるの方を向いた。
「ダーリン、プレゼントがもう1つあるっちゃ。」
「何だよ?」
「そ・れ・はー・・・、うちだっちゃ!」
ラムがにっこりと笑ってあたるの前にふわりと座った。
「・・・は?」
あたるは意味が分からず、ただラムを見た。
「ダーリンへの愛情がたーッぷり詰まった、うちがダーリンへのクリスマスプレゼント!」
「うちが、って・・・え?」
「見て見て、ちゃあんとプレゼント用に、リボンも付いてるっちゃvv」
そう言われてよく見ると、ラムはパーティーで着ていた黒の大人びたドレスから、今は赤いミニのワンピースに着替えている。
そして頭にはドレスと同じ色の、大きな大きなリボンが結んである。
「うち、ダーリンのことだーい好きだっちゃ!これからもずーっとダーリンと一緒にいるっちゃ!!」
あたるは目をぱちくりさせて、ラムの言葉をただ聞いている。
「これからもよろしくね、ダーリン!」
ラムはそう言い終わると、あたるに抱きついた。


『愛情たっぷりの自分を大好きな人にプレゼントする。』
なんてロマンチックなプレゼントなんだろう!
地球人もいいことを考えたものだ。
手編みのマフラー、手作りのケーキ、・・・どれも愛情たっぷりだけど、これ程愛情の詰まったものは絶対にない。
だから、プレゼントはこの私自身。
これからもずうっと、うちのこと、大切にしてね。
ずうっと、うちのこと、好きでいてね。


あたるはラムに抱きつかれてから数分の間、何も言わなかったし、指一本動かなかった。
だるいからじゃなくて。
『うちがプレゼント』
それって・・・、いいのか???
両親は寝ている。ジャリテンも寝ている。いつも勝手に居着いているチェリーやコタツネコの姿もない。
自分の鼓動が急激に速くなるのがわかる。
自分の鼻先に、頬に、彼女の柔らかい髪が触れる。
腕の中にすっぽり収まっているラムが、何だか小さく感じた。


あたるは自分の腕をラムの背に回して、軽く力を込めた。
「ラム・・・、本当に、いいのか?」
「ダーリン・・。」
ラムが顔を上げてあたるを見つめる。
あたるの手がラムの頬に触れ、お互いの顔がゆっくりと近づいていく。

二人の唇が重なった。

しばらくして唇が離れると、あたるは、ラムの身体を床に横たわせた。
ラムが閉じていた瞼を開ける。
「・・・ダーリン?」
ラムは困惑した瞳であたるを見上げている。
あたるはその呼びかけに答えようともせず、ラムのドレスに手をかけた。


ガラッ。
「ラムちゃん・・・おしっこー・・・。」
寝ぼけまなこのテンが押入れの襖を開けた。
「テンちゃん。」
ラムはさっとあたるの下から抜け出ると、テンを抱っこした。
「テンちゃん、おトイレは下だっちゃよ。ほら、連れてってあげるっちゃ。」
テンをあやしながら、あたるの方を向いてラムが言う。
「ダーリン、今日はすっごくロマンチックなクリスマスになったっちゃ!うち、とっても嬉しいっちゃ。」
そう言うラムの頬は少し赤い。
「ラムちゃーん・・・。」
「あぁ、よしよし、良い子だっちゃねー。もうちょっと我慢するっちゃよ。」
あたるは、ラムとテンを呆然と見ている。
「お、おい、ラム・・・。」
ちょっと待て。
これから『ロマンチック』で『嬉しい』コトが始まるんじゃないか!
「うち、テンちゃんを連れてUFOに帰って寝るっちゃ。今夜はいい夢が見れそうだっちゃーvvダーリンも布団敷いて、もう寝たほうがいいっちゃよ。
じゃあ、お休みなさい、ダーリンv」
ラムはテンを抱いて部屋を出て行った。
後に一人残されたあたるは、固まったままだった。


UFOにもどったラムは、テンを再び寝かしつけて、いつものトラジマビキニに着替えてから布団に入った。
でも、今夜は眠れそうにない。
嬉しくて嬉しくて、頬が緩みっぱなし。
「ダーリン・・・。」
一人布団の中で呟く。
先ほどのあたるとのキスを思い出して、ますます眠れなくなりそうだ。
自分の唇に手を当てて、そっと瞼を閉じた。



プレゼントは うち。
これからもずうっと うちのこと 大切にしてね。
ずうっと うちのこと 好きでいてね。
ダーリン 大好き。


(終り)


自分をプレゼントってのは、ゲロ甘のお約束ですv
ラムちゃんは、露出度の高い格好してるし、好きな人に平気でべたべたくっついていくけど、そのテのことには鈍いんじゃないかなー・・・というのが私の理想です(笑)。あたる君は普通の男子高校生程度に。・・・って、どの程度なのか知りませんが。


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