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禁断のケーキ
じゃらん♪
さくらのVPS

 リップグロス
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  朝、あたるとラムが教室に入っていくと、数人の女子がしのぶの机の周りに集まっていた。
  ラムはポイッと自分の鞄を机に放ると、フワ〜っとそのグループの方へ飛んでいった。

  「おはよ、ラム」
  「だっちゃv一体何の話をしてるっちゃ?」

  ラムは少し首を傾げながら訊ねた。
  この無意識にする仕草が少し子供っぽくとても可愛く見える事に本人は全く気づいていない。

  「これの話よ」

  しのぶはそう言うと細い筒のような物を取り出した。
  ラムは他の女生徒達の肩越しにそれを覗き込み、それが何なのか分かると目を輝かせた。
  しのぶが取り出したそれは、先週某大手化粧品メーカーが季節限定で売り出したリップグロスだった。
  数にも限りがあるため手に入れるのは難しいと思われていたそれが、今ラムの目の前にある。

  「手に入ったっちゃ!?」
  「ふふ、貰ったの」

  優しげに少しだけ目を細めてそう言ったしのぶを見て、ラムはあの彼からのプレゼントだと分かった。
  一見ぬけている様でも、こういった気の利いた事もするのだと思うと、ラムは羨ましくなった。
  顔はそのままに視線だけを自分の想い人に移動すると、見えるのはいつもの様に竜之介に抱きつこうとして
  そのまま綺麗な左ストレートを顔面に受けている彼。
  ラムはフゥッとため息をついた。
  そんなラムの様子を見たしのぶは言った。

  「付けてみる?」
  「良いっちゃ!?」
  「1回だけよ」

  しのぶは鏡とグロスをラムの方へ差し出した。ラムの顔は先程とは一転してニコニコに。
  嬉しそうに鏡を覗き込んでいる。

  「やっぱり雑誌で見たとおり、可愛い色だっちゃね〜」

  甘めな色のグロスはラムにとてもよく似合った。
  それを見た終太郎はすかさず、

  「とても素敵ですよ、ラムさん」

  と賛辞の言葉をかけた。他の男子も口々に誉める。
  我が愛しの君にも見て貰おうとラムはあたるの机に飛んでいった。

  「ダーリン、ダーリンv」

  あたるはラムの顔を見ると数秒だけ動きを止めた。

  「・・・天ぷらでも食ったのか?」
  「違うっちゃ!しのぶにグロスを借りたっちゃ!」

  ラムはそう言うとプウッと頬を膨らませた。

  「グロスだかなんだか知らんが似合わん。取れ」

  あたるはそう言うとラムに背を向けた。ラムは

  「うわぁ〜〜ん。ダーリンが酷いっちゃ〜」

  と言って女子に抱きついた。その女子は「よしよし」とラムの頭を撫でている。

  「諸星、貴様ラムさんに〜〜!!」

  終太郎はそう言うと、何処から取り出したか日本刀をあたるに向けた。
  あたるの方はさっと鋏を取り出すとすぐ横のロープを切った。
  そのロープの先を目で追っていくと、ちょうど終太郎が立っている場所の真上に固定された大型ハンマーに繋がれている。
  終太郎がそれを認識するのとほぼ同時に彼の頭にそのハンマーが直撃した。

  「お前最近用意周到だな」
  「面堂も何故避けんのじゃ」

  周りの男子達の中にそのハンマーを退けようなどと優しい事を考える者は誰も居ない。
  あたるはフンッと鼻息を荒くした。
  しのぶはやれやれとあたるに寄っていった。

  「ま〜ったく素直じゃないわねぇ」
  「何の事だ?」

  そう白々しく言ったあたるの髪をしのぶはくしゃくしゃっとかき混ぜた。

  「可愛いラムを他の男子に見せたくないんでしょ?意外と可愛いところあるのね〜、あたる君」
  「ええ〜い、うるさい!髪が乱れるだろうが!放せ」

  元々ボサボサじゃない、というとしのぶは自分の机に戻った。
  しのぶは何だか弟をからかう様で楽しくて仕方がなかった。
  戻ってみると、そこにはム〜っと口をへの字にして頬を膨らませているラムが顔だけ机に乗せていた。

  「どうしたの?ラム。むくれちゃって」
  「ダーリンと何話してたっちゃ?」
  「あたる君と?別にたいした事じゃないわよ」

  そう言いながらしのぶは先程の様子を思い出して少しだけ笑った。
  それを見たラムは一層むくれた。

  「・・・何かずるいっちゃ」
  「ずるい?」
  「なんかしのぶの方がダーリンの事分かってるみたいでずるいっちゃ。うちだってダーリンの事何でも分かってたいっちゃ」

  何を言うかと思えば、としのぶは肩をすくめた。
  ただでさえそう言う感情を露わにしない彼とつきあっていくにはこちらが鋭く察していくしかないというのに、
  この少女は自分が関係する事には一挙に鈍くなるらしい。

  「気になるなら本人に聞いてみれば?なかなか話してくれないと思うけど」

  しのぶはそう言うとフフッと笑って見せた。
  ラムのむくれ具合は頂点に達した。
  じゃあ本人に聞いてやろうじゃないかとあたるの方に飛んでいこうとするラムに、しのぶは小さく囁いた。

  「私はあたる君の考えそうな事が分かるだけで、これからどういう事をするのかは分からないわよ?」

  ラムはその意味が分からなかったが、取り敢えずあたるの方に向かった。

  「しのぶと何話してたっちゃ?」

  ラムが声をかけてもあたるは漫画から顔を上げなかった。

  「別にたいした事じゃない」

  あたるはしのぶと全く同じ事を言うと、漫画を読むのを続けた。
  いや、正確には続けようとした。
  それというのもラムがその漫画を取り上げたからだ。

  「何だ?読みたいのか?」
  「違うっちゃ!うちはさっきしのぶと何話してたのか聞きたいっちゃ!」
  「別にどうでも良いだろうが」
  「良くないっちゃ!」

  ラムは一向に譲る気配を見せない。
  それどころか

  「話したくないなら力ずくで聞き出すっちゃ」

  と言うとあたるの制服の襟首を掴んで屋上まで飛んでいった。

  「こら、諸星!ラム!教室にもどらんか!」

  いつの間にか来ていた教師が二人に向かって叫んだ。
  一人の男子があたるの机に近付き、何本か張られているロープの一本を切った。
  そのロープの先端は教卓の真上に固定された大型ハンマーに繋がれている。
  後は察しの通り、そのハンマーが教師の頭に落ち、それをだれも助けないと言う
  一見非日常的であるが彼らにとっては日常の光景が繰り広げられた。
  屋上ではラムがあたるに向き合うように座っていた。
  微妙に放電しそうな気配も漂っている。

  「さ、早く言うっちゃ」
  「・・・先にその口を何とかしろ」
  「今はそんなことどうだって良いっちゃ!」

  ラムがそう言うとあたるは小さく「良くない」と呟いた。
  ラムが良く聞こえないと顔を近づけて問い返すと、あたるは

  「〜・・・だから!」

  と叫んで自分の唇をラムのそれに押しつけた。
  ラムは反応が一瞬遅れたが状況を理解するとパニックになり手足をじたばたさせた。
  あたるは唇を話すと左の人差し指をラムに突きつけて早口に言った。

  「だから、そんなもんを付けているとこういう事がしたくなるからはずせと言ったんじゃ!
   さっきしのぶと話してたのはしのぶがその事で俺をからかってきただけだ。
   それと、今後そう言う物を付けて男の前に出るな!分かったか!」
  「わ、分かりましただっちゃ!」

  勢いにつられラムは敬礼をしながらそう答えた。
  あたるはくるっとラムに背を向けてしゃがみ込んだ。
  よく見ると耳が少しだけいつもよりも赤い。
  それに気が付いたラムも同じように耳まで赤くしながらこう言った。

  「・・・ダーリン、グロス取りたいけど唇拭いたくないからもう少しこのままで良いっちゃ?」

  二人は一層赤くなってしまった。

  「勝手にしろ!俺は戻る」

  あたるはそう言ってその場を離れた。
  教室に戻るとそこは先程と全く変わらず生徒達の声で騒がしかった。
  教師は打ち所が悪かったのかまだ教卓の脇に倒れていてぴくりとも動かない。
  あたるが自分の席に着くと、しのぶがツツッと寄ってきてあたるの顔をじ〜っと眺めた。

  「な、何だよ」

  あたるが声が裏返らない様気を付けながら話すと、しのぶはそっと耳打ちした。

  「唇の端でちょっと光っている物は何かしらね?あたる君v」

  一瞬の後、あたるは首まで真っ赤になって唇を擦った。
  しのぶはにんまりと笑うと自分の席に戻っていった。
  あたるは、もしかしたら自分の言動のすべてを予想してしまうかもしれないこの少女が心底恐ろしくなった。
  一方ラムは幸せ一杯の顔で学校の上空をとんでもないスピードで飛び回っていた。

  +++++

  あとがき

  フリーリクエスト企画で諸星雪華さんにリクエストしていただいた作品。
  リクエストは「うる星ものの小説、もちろんダーリンvラムちゃんな話を是非っo(>_<)oかわいい内容が良いなぁ」
  と言うことでしたが、なってますかね(汗
  なにやらしのぶが出過ぎな気がしますが。
  このような物ですが、今はこれが精一杯

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この小説は、きつねさんとマウマウさんのHP「るーみっく☆カプセル」で、
フリーリクエストという実にオイシイ企画があるのを目ざとく見つけたワタクシが、
早速リクエストして書いて頂いたという何ともラッキーハッピーな一品なのです!

もう、すっごい可愛いお話ですっo(>_<)b☆ミ
この無邪気で無防備な男心を無意識にくすぐるプリティ小悪魔いや天使なラムちゃん!
そしてその天使ちゃんのメロメロリンなゆ〜わくに抗いつつも我慢できないお年頃なダーリン!
ぎゃあああーーーーっ萌えーーーー//////
私、このテの話に弱いんですよねー。
ラムちゃんのこの無自覚さが…ダーリンが、ダーリンが可哀相な程に無防備で…vv
そりゃ襲いたくもなるって!(え?違う?)
もう屋上でのダーリンがむちゃくちゃ可愛いっo(>_<)o
羨ましいぜ、ラムちゃんっ!!!

きつねさん、こんな激プリ青春真っ盛りの2人をありがとうございましたっっ!



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