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エイプリルフール

それは一つだけウソを言ってもいい日に起こった物語…

ラム、あたる、しのぶ、メガネ以下、友引き高校2年4組は面堂家で盛大に行われている「4月1日は終太郎ぼっちゃまのお誕生日!!」パーティーに招かれていた。
例によって例のごとく、面堂はラムとしのぶだけを招待したはずだったのだが…。しかもジャリテンや錯乱坊まできている。サクラ先生もきているのが救いか。
ともかく来てしまったものは仕方が無い。たかだか50人分のもてなしもできないほど面堂家はおちてはいないし、それにもういつものことである。しかし…
「諸星――――――!!!!ぼくの誕生日パーティーでハレンチなまねをするなー!!!」。
美人とあらば宇宙人や妖怪でも口説く天下無双の浮気者の諸星あたる。そのナンパの場所も選ぶことは無い。どんな催し物でもラムにくっついてくる(?)あたるだが、面堂はできればこいつだけは呼びたくないと思っている。
「諸星――――!!!!!!」
「誕生日早々、刀なんか振り回すものじゃないぞ〜。しゅう〜ちゃ〜ん。」
早速、いつものおいかけっこがはじまった。適当に面堂をおちょくりながら余裕そのものといった感じで逃げ回るその姿。相変わらず見事なものである。…と、あたるは何かをふんずけた。
「ん?なにか踏んだか…?気のせいか。…おっとやべ。」
「むぁてーーーーー!!!!!」
あたるたちが走り去ったあと、そのふんずけられたものはよれよれと起き上がり、ふわ〜…と空中に浮いた。
「あたるのやつ〜!!!いたいけな幼児をなんやと思ってんねブギャ!!」
テンはUターンしてきたあたるたちにふたたび踏みつけられる。
「…………おんどれ〜待ちさらせーーーー!!!バーベキューにしたるどーーーー!!!!!」
完全に逆上したテンは、あたるたちを狙ってしっちゃかめっちゃかに炎をはきはじめた。
他の面々はやれやれといった感じでこの3人を巧みにさけつつ、面堂邸でしか食べられないようなごちそう、例えばフォアグラのステーキや上海蟹の酒蒸しなどに舌つづみを打っている。もう慣れたものであった。特に、「ブルジョアの手先めー!!」とか言いながらごちそうを次々とほおばるメガネのたべっぷりはすさまじいものであった。

「まったく…面堂さんもいちいちあいてしなきゃいいのに…」
しのぶはあたるたちの様子を退屈そうに眺めていた。容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能の面堂も一皮むけばあたるとおんなじで、しのぶが面堂への恋心をだんだん失っていったのもそこに原因があるのだろう。
大体、怠け者でいやしくてインランでエゴイストな、ある意味男の中の男であるようなこの男達を好きになる物好きなどいるのだろうか?
いや…すぐそこにいる。とことんなまでに浮気者の少年、諸星あたるをこよなくあいする少女…ラム。
「あら、そういえばラムが騒いでないわねえ。いつもならとっくにあたるくんを追っかけているはずなのに…。」
そのラムはというと、ずっと椅子に座ってボーっとしていた。この騒ぎにも全然気づいていないようである。一体どうしたのだろう。
「どうしたの?ラム。」
「しのぶ…」
「いつものあなたらしくないわよ。いったいどうしたのよ。何か嫌なことでもあったの。」
「嫌なことなんて…むしろ逆だっちゃ…。すごくうれしいことがあって…うちどうしたらいいかわからなくなってるっちゃ。」
それっきりラムはだまりこくってしまった。
おかしい。ラムはうれしかったらそれを素直に表現する娘。それがここまではにかむとはどんなことがあったのだろう。おそらくはあたる関係なのだろうが…。
しのぶは考えられる限りの事を考えてみた。
あたるがラムをデートに誘った?いや、インパクトが薄い。
あたるがラムにキスをした?考えられなくも無いが…それくらいでここまで動揺するだろうか。その程度ならその辺をビュンビュンとびまわって喜びを露骨にあらわしているはずだ。
それじゃあ何だろう…………………………
ん?そういえば。
しのぶはふとまったく別のことを思い出しそうになった。今日は何かあった様な気がする。今日は特別な日なのだ。面堂の誕生日…それだけではない、なにかが…
「あ!!!」
「どうしたっちゃしのぶ。」
急に叫び声を出したしのぶにラムは心底ビックリした。
「そっか…そういう事か…ふふ。」
「な、なにいってるっちゃ?」
「ラム?あなたあたるくんに何か言われたんでしょう。」
図星だった。ラムがあからさまに動揺する。
「ど、どうしてわかるっちゃ?」
「あなたがそこまで変になるなんてあたるくん絡み以外ありえないでしょう?で、それ今日のことでしょう?」
「なんでそこまでわかるっちゃ?」
またまた当てられますます驚くラム。
「あたるくんに何言われたのか知らないけどね…。エイプリルフールて知ってる?」
「エイプリルフール?」
そこにいつのまに騒ぎの中心から帰ってきたのか面堂が現れた。
「エイプリルフールですか…昔それでひどい目に会いましたよ…。」
しのぶが向こうを見やると、あたるは既にナンパモードから暴食モードに切り替わっていた。テンとは、争う対象を変えつつバトルを続けている。
「面堂さん?どういうこと。」
しのぶが面堂に尋ねる。
「ええ…昔…たしか7才くらいの頃でしたか…。もう今年は誕生パーティーをしないって言われたんですよ。『何でだ―――!!!』って相当駄々をこねたのを覚えています。何せ楽しみにしてましたからね。それでがっかりして部屋で閉じこもってたら、父上に呼ばれたんですよ。行ってみたらいつもよりも盛大にパーティーが用意されてましてね。エイプリフールだったわけです。まったくうちの物の考えることといったら…。」
「あら、いやなことがウソでよかったじゃない。うれしいことがウソだったらいやよ。」
「まあ、それはそうですが…」
その面堂としのぶの会話を聞いていたラムの顔が血の気が引いていく。もしかしたら…エイプリルフールって言うのは…。
「し、しのぶ…?エイプリルフールってまさか…?」
「そう、今日4月1日だけはうそをついてもいいってことになってるの。ただし一回だけね。」
ラムの顔が一気に青ざめたそ。涙まで出てくる。
「どうしたのよ、ラム。あたるくんに何を言われたのよ。」
「あれが…あれがうそなわけないっちゃ―――――――!!!!」
とうとう、声まで出して泣き出した。面堂もしのぶもなんと声をかけていいかわからない。
「まったく諸星のやつ、ラムさんに何を言ったんだ。事と次第によっては叩き切ってやる!」
すると、ラムの泣き声を聞きつけて4人組もやってきた。
「ラムさんしっかりしてください。あのあほだけが男ではありません!そもそも男女交際の正しいありかたとはお互いの気持ちを思いやってこそ成り立つのであり、あの先天的淫欲魔のあたるなどはまさに人間の道をそれた鬼畜!このメガネこそがあなたにふさわしいナイトであり…」
「なにいってんだメガネ!ラムちゃんにふさわしいのはおれだ!」
「ぼくだ!!」
メガネもチビもカクガリも勝手なことを言いまくっている。こんなセリフをもしラムがしっかり聞いていたら、この3人は無事ではすまなかったろう。聞いていないからこそこんな事を言ってられるのだ。まともにラムを慰められるのは実は彼女もちのパーマだけであったが、そのパーマもラムに言葉のかけようが無かった。
「やはりあたるを呼び出して聞くのが一番だと思うぜ。おれぁよお。」
パーマが出した意見に面堂がうなずいた。
「うむ。やはりそれが一番だな。諸星――――――――――――――!!!!!」
面堂があたるに向かって叫ぶも、あたるは集中していて声が聞こえていなかった。食い物争奪戦はすでに純粋なテンとのバトルに発展しており、炎V.S.フライパンの壮絶なしのぎあいが展開されていた。
「やめんかおのれら!!」
同時に飛び出したパーマと面堂。パーマのパンチはテンに命中、面堂の刀はあたるにしっかり白羽どりされた。
「な、なんじゃい面堂」
「だから人のパーティーで騒ぎを起こすなといっておるだろう!!」
「面堂、当初と目的がかわっとるぞ…」
冷静につっこむパーマ。
「ご、ごほん。ま、ともかくとしておまえラムさんに何を言ったのだ。」
「ラム?ラムがどうかしたのか?」
あたるは、そこではじめて泣き崩れているラムを見た。
「わ!どうしたんだ。ラム!」
あたるはすっとんきょうな驚きを見せる。刀は手で挟んだままである。その様子が面堂をますますいらいらさせる。
「おまえラムさんにどんなウソをついたんだ。」
面堂が刀を押す力をますます強める。
「ウソ?おれ、なんか言ったっけ?」
「あくまですっとぼけるつもりか!」
「ともかく刀を引け、面堂!」
確かにこのままではにっちもさっちも進まない。パーマは、それでも引かない面堂をあたるから強引にひきはなした。
面堂から開放されたあたるはそのままラムに寄っていった。
「どうしたんだ?ラム。」
顔はあくまですっとぼけている。そんなダーリンの顔を見てラムはますます顔をくしゃくしゃにする。
「ダーリン、あれうそだったっちゃ?エイプリルフールだったっちゃ?」
「何のことだ?おれにはさっぱり…。」
「ダーリン、もうすぐ俺も18になるから結婚しようって言ったっちゃ―――――――!!」
…一同の顔色が変わっていく。
「あれ?もしかしてチミ、エイプリルフールのこと知らなかったの?いやあ、あれ言った後も元気に飛び回っておったからてっきりばれてたものと勘違いしたよ〜。にゃははははは。」
そのあたるの言葉で、全員のかんにんぶくろの尾が切れた。
「…さいってい!!!」
「諸星……貴様やっていいことと悪いことの区別もつかんのか…?」
「おまえはラムさんの心に深い傷を負わせた。これは親衛隊条項の第1条第3項に明記してあるS級犯罪だ!」
「クラスのガンめ!!」
一同はあたるを包囲した。あたるはじりじりと壁際においつめられていく。
「お、おい…話し合おう。な。」
そこにテンまでやってきた。
「全部きかせてもらったで〜。おまえはそういうことだけはせんと思っとったんやけどなぁ。見損なったど!!」
ついに壁を背にしたあたる。
「ちょ、ちょっと待て……待て……は、話し合おう…ま、待って……………。
「聞く耳持たん!!」
「うわ――――――――――!!!!」
そして机、ハンマー、蹴り、火炎、刀の連続攻撃があたるにふりそそいだ。

「ただいま〜。いてててててて…………。」
あたるとテンは諸星家に帰ってきた。ラムは帰ってきていない。あまりのショックで諸星家に帰る気が起こらず、そのままUFOに向かったのだ。
「ふん、自業自得や!!ラムちゃん、当分ここに帰ってけえへんで。」
テンはあたるに冷たく言い放った。
「じゃあ、なんでおまえはここにおるんじゃ。」
あたるがそう聞くと、テンはこう答えた。
「そやな…。ラムちゃんの帰る場所は結局ここしかあらへんから…やろか…。」
「おまえとラムは関係ないだろ。」
「ま、そういえばそうやけどな。それにしても今日のおまえなんか変やで。あ、待ってえな。」
テンはいつのまにか先に行ってしまったあたるを追って、2階のあたるの部屋に入った。
あたるが電気をつけた。そして時計を見た。
10:25。
「時間がないな…」
「なんか言うたか?」
テンがあたるに聞くと、逆にあたるはテンにたのみごとをした。
「ジャリテン。今すぐUFOに行って、ラムをつれてきてくれんか?あやまりたいんだ。」
テンは絶句した。あたるのあまりのずうずうしさに。前からずうずうしいと思ってはいたが、ここまでとは。
「ふざけるのもたいがいにせいや!おまえラムちゃんがどれだけ傷ついたか…」
そのテンの言葉を制してあたるが言った。
「たのむ…今日じゃないとだめなんだ…」
あたるの様子が普段からは考えられないほど真剣になっている。どうも本気のようだ。
「まったく…。今日のおまえほんまにおかしいで。ふざけすぎてると思ったら、急に神妙になりやがって…。」
「行ってくれるか!」
「まあな。」
テンはふよふよとUFOに向かって昇っていった。

ラムは気が進まなかった。
今回だけはどうしても許せなかったのだ。自分のきもちをここまでもてあそんでおいて、ダーリンはまったく反省していない。そんな人だとは思わなかった。見損なった。
テンちゃんが必死に説得してくれなければ、もう2度と諸星家には来ないつもりだった。そんな思い腰を引きずってまで来たあたるの部屋。
だが…あたるはねそべってラムに背中をむけていた。
「ダーリン…。」
ラムが、くらい声であたるを呼ぶ。
あたるはふりむかない。そしてそのまましゃべりだした。
「言っとくけどおれはあやまらないからな。テンに『ラムにあやまりたい』って言ったのはウソだ。」
!!
せっかくダーリンがあやまるというから来たのに。許せない、絶対に!!!
だがあたるはなおも言い続ける。
「テンに言ったのはウソだったって言ってるんだ。今日はエイプリルフールの日だからな。」
ラムは知らず知らずのうちに放電していた。怒りが形となって現れているのだ。
「ダーリン…。ダーリンがそんな人だとは思わなかったっちゃ…。」
あたるはなおも同じことをいいつづける。
「テンに言ったのがウソなんだ。今日はエイプリルフールだからな。」
ラムは悲しかった。わけのわからない同じことをいいつづけるこの男にほれてしまった事が。あたるが自分の愛を最低の形で踏みにじったことが。あたるが自分をこんなに軽く見ていたということが悲しかった。
今までに見せてくれたあの嫉妬は何だったのだろう。ぴぐもくんにみせた嫉妬は。イルカ男のときに出たあのいらだちは。慎吾のときに電気密林にまで追ってきてくれたのは。
そして…あの最後の鬼ごっこは。
今となってはすべてが幻のようにおもえてくる。
「ダーリン…うちら…もうおわりだっちゃ…」
あたるは背を向けたまま、ずっと同じ事をくりかえしている。
「おい!何言っとるんだ!あれがエイプリルフールだと何回言ったらわかるんだ。」
「ダーリン、さよなら!!!」
ラムが窓から飛び立とうとしたその瞬間…ラムは体をあたるに抱きしめられていた。
「なにするっちゃ!はなすっちゃ!!」
ラムは必死にもがく。力の限り放電する。それでもあたるは離れない。
「ラム…。エイプリルフールのことをもっかい思い出してくれ。たのむ。」
エイプリルフール……ラムのあたまに、しのぶのことばがよみがえる。

「そう、今日4月1日だけはうそをついてもいいってことになってるの。ただし一回だけね。」

………………ただし一回だけね…一回だけね…一回だけね…

そう一回だけ。一回だけだったのだ。あたるが4月1日についたウソはテンについたもの一つだけ…。
「ダーリン…。あれは本当のことだったっちゃね。」
「……………」
あたるは黙ったままである。でもラムにはわかる。あたるがどんな顔をしているのか。
さっきからずっと自分に顔を見せようとしなかったのはその顔を見られたくなかったから。
「………ばかなダーリン…。」
そう、ばかなダーリン…。エイプリルフールにかこつけなければ、愛を表すこともできない不器用なダーリン…。
ラムは振り向いた。そして目をつぶり自分の顔をあたるの顔に近づけた。
やさしいキス…。
そしてそのまま床にたおれこんだ。
その後、諸星家の2階で何がおきたかは月だけが知っている…。

それは一つだけウソを言っていい日に起こった物語…
END



あとがき
ああ、書いちまった…。書いちまったよ。あまいやつ…。
おっと。ですます調で書かねば。(笑)
ともかくエイプリルフールが近づいてなにげに考えたのがこの作品です。
らんま西部劇編のストーリーを考えながら着々と作っていたのですが、まさかここまで甘くなるとは想像だにしていませんでした。
しかしここまで完成が遅れるのはもっと想像していませんでした。バイト関係でややこしいことがあってなかなか打ち込めずにいたのですが、これをもって完成です。
後半はかなり気持ちが荒れてた頃にかいたので、かなり情熱的な展開になっています。
ほんとはもっとどたばたな終わり方をしようと思ったのですが、あそこまで書いて「これ以上かいたら蛇足になりそう」とおもったので止めました。想像の余地がかなりできますし。

ああ、やっぱラブストーリーは苦手だ…。 諸星こける。


うわぁい、ゲロ甘です〜vv
以前掲示板で、こけるさんご自身が提案した「エイプリルフールでゲロ甘」ネタですね!
しかもこのラストって、「初体験」ネタ?!
ナイスですー(>_<)b☆ミ

管理人 諸星雪華

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