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今日は良い天気だったので、授業をサボって体育倉庫に居た。
メンバーは俺、メガネ、カクガリ、パーマ、チビ。
後から面堂がやって来て、授業に来ない俺たちにゴタクを並べたが、
結局こいつもマットの上に腰を下ろしている。
俺たちは1冊の写真集を全員で取り囲み、熱心に鑑賞していた。

「この腰のラインが堪らんな〜。」
「いや、俺はそれに続く太ももが…。」
「何を言う!この形の良い胸に決まっとろーが!」
「俺、どこでもいい…v」
写真鑑賞に耽る俺たちの輪の中で、1人面堂がため息をついて言った。
「全く君達は品がない。授業をサボった上に、このような女性の裸の写真を見合うなどと…。」
「…だったら、何でお前はココにおるのだ?」
俺たちが白い目で面堂を見ると、
「僕は風紀委員長として、2年4組の副委員長として、君達のふしだらな行為を放っておく訳にはいかん!」
面堂は右手をぐっと握り締め、力を込めてそう言い放つ。
「あほか。」
こんな馬鹿の相手をしちゃおれん。
俺は再び写真集に目を戻した。
「たかだかヌード写真集の1冊や2冊で、何がふしだらじゃ。」
俺は言葉だけ面堂に返してやった。

「ふしだらと言えば…。」
カクガリが思い出したように言った。
「隣のクラスの森山が先週退学になっただろ。」
「それがどーした?」
メガネが顔を上げる。
他の奴らもつられてカクガリを見た。
「あいつ、仏女の子を妊娠させたらしいぜ…。」
カクガリは声をひそめた。
「にんしんーっ?!」
「それはふしだらだなっ!」
「それに比べたら俺たちは何て真面目なんだっ!」
「全くだ。」
わははははは!
何が真面目なのかよー分からんが、お互いの肩を抱き合い、顔を見合わせて笑う。
「ところで、あたる〜?」
メガネが気味の悪い微笑みで声を掛けてきた。
「何かな〜、メガネ君?」
さっきの笑いの延長のように、俺はふざけ半分に返事をする。
すると、メガネが俺の両肩をひっつかみ、不気味な顔を近づけて問い掛けた。
「お前は大丈夫だろ〜な〜?」
意味ありげな物言いと表情に、俺は笑うのを止めた。
「な、何が?」
「ラムさんのコトだ!」
「ラムがどうしたのだ?」
「だから、ラムさんは、大丈夫なんだろうな?!」
「大丈夫って?!あいつなら今ごろ授業中…、」
「そうじゃないっ!」
怒鳴る声と共に、俺の両肩をつかむ力が強まる。
「痛…っ!何だよ!」
捕まれた肩が痛くて、俺はメガネの両手を払いのけた。
「一体何が言いたいんじゃ、おのれはっ!」
あ〜びっくりした。痛いじゃねーか。
やっと解放された肩をさすっている俺の顔をつかんで、メガネは再び俺を睨んだ。
「だから、貴様は、ラムさんを妊娠させるよーな真似、しとらんだろーなと言っとるんだっっ!!」
「は…?」

メガネのもの凄い勢いに、俺はそれしか言えなかった。
妊娠…?俺が?…ラムを??
しばしの沈黙。
「わーはははははっ!何を言っておるのだ!」
俺は大声を上げて笑った。
「馬鹿馬鹿しい!何を今更。だーれがラムなんかに…、」
「そうかーっ!そーだよなーっ!」
言いかけた俺の両手をがしっと握り、メガネがぶんぶんと上下に振る。
涙を流して安堵の表情を浮かべている。
「お前はラムさんには興味ないんだよなーっ!そーだよなーっ!」
ラムに興味がない…??
「え゛…、いや興味がないとわ…、」
俺が咄嗟に発したその言葉に、レンズ越しにメガネの眼光が鋭く光った。
「何だ、あたる…?何を言うつもりだ…?」
「い、いや、その…。」
尋常でないその様子に、俺は後ずさった。
こ、怖すぎる…。
「いやぁ、そーだよなー!今更ラムなんかに、手、出したりなんかしないって!」
「そーだよなー!わはははははははーっ!」
肩を組んで笑いあう2人。
こーなりゃヤケじゃ。
「でもさー。」
パーマが口を挟んだ。
「ラムさんって、あたるにとっては据え膳≠セろ?俺があたるの立場だったら、喰っちまうけどな〜。」
パーマのこの一言に、その場に居た野郎共の動きが止まった。
それから、俺に集まってくる冷たい視線。
その居心地の悪さに、全身から嫌な汗が噴き出してくる。
「据え膳喰わぬはなんとやら≠チて言うよなぁ。」
パーマが追い討ちを掛けるように言葉を継ぎ足した。
くそっ。余計なことを。
こいつは他の奴らと違って彼女持ちだから(ちょっと変わった娘だったが・汗)、こんなことを平気で口にするのだ。
「…あたる〜ぅ…。」
メガネが俺の首に腕を回して、ぐいっと身体ごと引き寄せた
「武士に二言はない≠ニいう言葉は知ってるな?」
「は、はひ…。」
ひぃ〜〜(滝汗)。
不細工な顔を鼻先まで近づけ、俺を見据えながらゆっくりと言う。
この目は本気(と書いてマジと読む)だ。
「ラムさんに手を出さない、よな?ん?」
極悪な笑みを浮かべるメガネ、異様なオーラを放ちながらぐるりと取り囲む他の奴ら。
この状況で反抗する程、俺はよっきゅーふまんでもない。
「あ、あぁ…。」
一言だけ言って、後は頷くのが精一杯だった。


チャイムが鳴り、授業の終りとなったところで、やっと俺は解放された。
あ〜、恐ろしかった。
目がマジなんだもんな〜。
口笛を吹きながら、2年4組の教室の戸をがらりと開ける。
振り返ったラムとちょうど目が合った。
「あ、ダーリン!」
俺を見つけたラムは、プレゼントをもらった小さい子どもの様な表情をしてすっ飛んでくる。
そして俺に軽く抱きついてきた。
…ほらな、別にどうってコトないじゃん。
しのぶや竜ちゃん、サクラさんなら迷わずってところだが、今更ラムに抱きつかれたって、どうってことない。
俺は平然とラムを引き剥がした。
「ベタベタするな、うっとおしい。」
「あん、もう、ダーリンったら!」
むくれるラムを無視して、いつも通り、しのぶや竜ちゃんにモーションを掛け始めた。


「じゃあなー。」
「また明日ねー。」
「ねぇ、今から駅前に行かない?」
「いーねぇ、行く行く!」
1日の授業が終り、生徒達が足取り軽やかに門を出て行く。
「ダーリン、待つっちゃーーっ!!」
「待てと言われて待つ馬鹿はおらん!」
いつも通りの光景。
俺はラムをうまく巻いて、ガールハントに繰り出した。
「もーっ!ダーリンのぶわーかぁーーっっ!!!」
遠くの方で電撃を放電しているのが見える。
くわばら、くわばら。
たかがラムの電撃位でガールハントを止める俺ではない。
家に帰る頃にはほとぼりも冷めるだろうさ。
なんせ街には大勢の女の子たちが、俺を待っているのだから。


「ただいま〜。母さん、飯〜。」
街中走り回って腹が減った。
俺は台所を覗いた。
「母さん、今日の晩飯なに?」
のれんの間から顔を突っ込んで言うが、母さんの姿がない。
買い物かー?こんな飯時に?
居間に入るが、やはり誰の姿もない。
ラムやジャリテンもいない。
父さんは、まだ仕事から帰っていないのかもしれない。
ふと、テーブルに目をやると、1枚の紙切れを見つけた。

『 あたるへ 
   今朝言っておいた通り、父さんと母さんは法事へ行って来ます。
   晩御飯は、冷蔵庫の中に入れておくから、温めて食べなさい。
                                      母より』

「法事?!…そう言えば、朝、出掛けに何か言ってたっけ…。」
すっかり忘れとった。
俺は台所へ戻って、冷蔵庫の扉を開けた。
シュウマイが8個、皿にのっている。
冷たいコンロの上には、味噌汁の入った鍋。
炊飯器を開けると、湯気の奥にほかほかの御飯が見える。
「飯があるならいいか。」
たまには親がいないのも気楽なもんだ。
俺は2階の部屋へ上がった。


学生服をハンガーに掛け、ワイシャツのボタンを外しながら、
何とはなしにさっき見た晩飯のことを思い出していた。
(シュウマイが8個ってのも豪勢だなー♪)
いつもは1人2、3個しかないもんな〜…って、ちょっと待て。
シュウマイ、味噌汁、御飯…。
あれが全部俺1人分の訳がない。
「ラムとジャリテンの分も入ってるってコトか…。」
ちっ、居候のくせに。
ぶつぶつ文句を言いながら、ちょうど服を着替え終わったところで、背後の戸が音を立てた。
「あ、ダーリン、ただいまだっちゃ。」
「何だ、お前も今、帰ってきたのか。」
「だっちゃ。」
「そっか。」
他愛もない受け答え。いつもと同じ。
…あれ?
「珍しいな、お前が戸から入ってくるなんて。」
俺はラムの方を振り返る。
目が合うと、あいつは何故か奇妙な苦笑いを浮かべた。
「ダーリン…、これ…。」
ラムは2本の角を指差した。
角に巻かれている明るい黄色のリボンが目に入る。.
どこかで見たような…。
「…お、おい!それ、以前チェリーがくれた、お前の超能力を封じるリボンじゃないかっ?!」
「だっちゃ。」
ラムはため息をついて、事の次第を説明し出した。


「…つまり、蘭ちゃんがリボンを結んだんだな。」
「だっちゃ。ランちゃんったら、いつの間にチェリーからこんな物を手に入れてたのか…。」
ラムはもう一度、大きなため息をついた。
「空は飛べないし、UFOも呼べないっちゃ。」
「で、今夜の蘭ちゃんとブタ牛のデートの邪魔はさせないってことか。」
「…だっちゃ。うちはぜんっぜん邪魔する気なんてないのに、ランちゃんは聞く耳持たないっちゃ。」
「それで珍しく玄関から入ってきたって訳か。」
なるほどね。
ってコトは、しばらくの間、ガールハントし放題じゃないか!
喜びがつい表情に表れてしまったのを、ラムは見逃さなかった。
「言っとくけど、ランちゃんは明日、地球に帰ってくるんだから、そうしたら朝一番にリボンを解いてもらうつもりだっちゃ。もし、うちの電撃が使えない間に浮気しよーなんて企んでるなら、明日、電撃リンチだっちゃ!!」
牙と爪を剥き出しにして、ラムが俺を睨みつける。
何だってこう、人の恨みを買うんだ?!
「ま、まだ何もしとらんじゃないか!落ち着けって!なっ?!」
へらへらと愛想笑いを浮かべて、何とかラムをなだめた。
「は、腹減ったなぁ。飯にしようぜ、なっ?!」
「だっちゃね。」
さっきまでの鬼の形相がウソのように、ラムの顔がいつも通りに戻った。
俺たちは居間へ降りていった。



part2へ続く


うきゃああぁぁっ(>_<) 長すぎるーーっ!!
我ながら長すぎてしまい、書きあがらなかったというのと、一気に読むと疲れそうということで、
何編かに分けます。ちぇっ。
続きを早く完成させようっと。


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